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諸課題に貢献してきた人材やノウハウを国際協力の場で積極的に活用している。
地域の国際化への対応(内なる国際化)としては、近年、外国人が日本に滞在したり、訪問したりすることが多くなっていることから、各地方公共団体において、外国人への情報提供、外国人の生活相談への対応、在住外国人と地域住民との交流事業の実施などの施策を実施している。外国人登録者数は1995年末現在で136万人を超え、10年前と比べて約1.6倍となり、我が国の人口の1%以上を占めるようになったほか、海外からの留学生数も1995年末で約5万4千人と、これも10年前と比べて約3.6倍となるなど、確実に日本に滞在する外国人の数は増大している。
地方公共団体の中に、国際機関を誘致する機運が高まってきたのも、こうした一連の流れの中でのものであろう。その具体的な目的は、まちのイメージアップであり、地域住民の国際感覚の涵養であり、また地域が抱える課題の共同研究や地域レベルの国際協力・貢献の一環である。しかしながら、実際に誘致した国際機関が、地域の国際化、活性化や振興という観点から当初想定していたとおりの効果が果たして挙げているのかといった声があるのも、また事実である。
本研究会においては、このような問題意識の下、これまでの誘致事例や今後の誘致動向等を調査しながら、地域の国際化、活性化や振興という観点から、期待される国際機関の役割やその実態を検証していく中で、地方公共団体による国際機関への関与のあり方について検討を行ったものである。

 

 

 

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